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テニスの主な傷害

テニスの科学

2005/05/17
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腱鞘炎

<病態>

腱鞘とは腱の通り道であるトンネル状の鞘(さや)のことで、中には滑液を含み腱の滑りを良くしています。腱はこの腱鞘の中を通りスムーズな動きを可能にしています。腱鞘炎とはこの腱鞘が炎症を起こし、腱が腱鞘に狭窄され中をスムーズに通れなくなってしまった状態です。そのため腱と腱鞘が擦れ合ってしまい炎症がひどくなります。 手首や指に多く、スポーツや仕事による手の使いすぎなどの反復する手の動作の刺激によるものが主な原因となります。

腱鞘炎を起こしやすい部位は指では親指の付け根の内側、手首では手首の親指側に多く見られるドケルバン腱鞘炎、轢音性腱周囲炎などがあります。


<症状>

A.ドケルバン腱鞘炎 deQuervain's teno-synovitis
手首の親指側の腱鞘炎であり、橈骨茎状突起にある第1伸筋腱区画にて長母指外転筋腱・短母指伸筋腱が狭窄されている状態です。橈骨茎状突起部に腫れや圧痛、熱感、発赤などをきたします。またガングリオンなどにより腱が圧迫されて起こる場合もあります。

B.母指腱鞘炎(ばね指) trigger finger(thum)
母指のMP関節掌側で母指屈筋腱が狭窄されている状態であり、親指を曲げ伸ばしする際、母指の手掌側のMP関節上に痛みが発現します。また同部位に圧痛があります。発赤や熱感、腫脹をきたすこともあり、悪化していくと腱の滑りがさらに悪くなり、ばね指といい、指の曲げ伸ばしの際にひっかかりが起こりカクッと伸びたり曲がったりする状態(弾発現象)になることがあります。また、親指の付け根で腫れた腱が動くのが触ると分かる時があります。

C.轢音性腱周囲炎 peritendinitis crepitans intersection syndrome
前腕遠位1/4の母指背側で第1区画の長母指外転筋と短母指伸筋が第2区画の長・短橈側手根伸筋腱と斜めに交差しているため、手首の使い過ぎにより腱鞘炎を起こします。疼痛、運動時痛、腫脹を認め、時に圧痛、熱感、発赤も生じる。また前腕の回旋、手関節の背屈・掌屈、母指の伸展・屈曲で疼痛とギシギシという軋轢音を発します。


<評価・検査法>

A.ドケルバン腱鞘炎
 圧痛部位:橈骨茎状突起周囲
 運動痛:手首の屈伸運動、尺屈運動
 検査法:親指を中に入れ手を握り、手首を小指側に曲げ(尺屈)痛みが誘発されたら陽性

B.母指腱鞘炎
 圧痛部位:母指の付け根
 運動痛:母指の屈伸運動(+弾発を生じる)

C.轢音性腱周囲炎
 圧痛部位:前腕遠位1/4の背橈側部(ドケルバン腱鞘炎の圧痛部位よりやや近位)
 運動痛:前腕の回旋、手関節の掌背屈、母指の屈伸動作(+軋轢音を生じる)


<治療・予防>

1)治療

原因となっている作業・スポーツなどの頻度を減少させ、出来るだけ安静を保つ。また熱感がある場合にはアイシングをしっかりと行い、その際に逆に温めること(風呂など)は極力避けましょう。
またテーピングなどにより痛みが出る方向への運動を制限させることも、腱の安静を促し、症状の軽減に効果的です。

2)予防

テニスやその他手首に負担がかかるようなスポーツ・作業を行う場合は、事前にしっかりとストレッチを行い、運動後はアイシングを行います。またスイングやラケットのグリップの握り方により腱鞘炎の原因となる場合もありますので技術面での修正も必要となってきます。

<グリップと手関節の痛みの出現の例>

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