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トレーニング理論

2004/07/01
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ウエイトトレーニングの目的

まずなぜトレーニングをするか??というところから考えてみましょう。トレーニングをすることにより下記のようなさまざまな効果が期待できます。また老若男女どの方にでも正しい方法で行えばしっかりと効果が出てきます。

  1. 筋力・パワーアップ、あるいは脂肪をつけずに体重を増やす(階級がある競技など)
  2. 爆発力・瞬発力アップ
  3. 持久力・スタミナアップ
  4. 筋肉量を落とさないことを前提とした減量
  5. リハビリテーション
  6. 全身のコーディネーション
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スポーツ選手とウエイトトレーニング

1.競技パフォーマンスの向上

どのスポーツを行うとしても動作を起こすということは「筋肉」が原動力になります。筋力トレーニングはスポーツ選手の基盤を作ることが目的となります。

技術練習のみが優先されてしまうことが多いのですが、それだと筋力という基盤が作られていないためすぐ頭打ちになってしまいます。技術練習だけでなく筋力トレーニングを実施することにより基盤が大きくなり、パワー・スピードの向上など、より競技パフォーマンスが高まりやすくなります。

2.傷害予防

筋力トレーニングを行うことにより外力からの衝撃に対する耐性を高め「外傷予防」に、また筋力バランスを整えることにより「障害予防」という効果があります。

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ウエイトトレーニングの5大原則

まずトレーニングを行う際にぜひ意識してほしいことを5つあげていきます。何も考えずにダラダラとトレーニングをしていてもなかなか効果が現れにくいものです。この5つをしっかり意識してトレーニングを行うことで、より質の高いトレーニングとなっていきます。

1.トレーニングは75分以内に切り上げる!

難しい話になりますが、トレーニング効果というものは、体内のホルモンレベルによって大きく左右されます。なかでも効果を上げるために重要なホルモンは「テストステロン(=男性ホルモン)」「成長ホルモン」「インスリン」です。これらのホルモンレベルが高いと、トレーニング後、筋肉をUPさせる方向に作用していきます。しかし逆にホルモンレベルが低いと筋肉に栄養が行き渡らず、トレーニング効果が出にくくなってしまいます。またトレーニング効果を打ち消してしまうホルモンとして、「コルチゾル」というものがあります。これは体に必要なエネルギーを取り出すために筋肉を分解してアミノ酸を取り出してしまう作用があります。

この2つの理由によりトレーニングはいつまでもダラダラと続けるのではなく、長くても75分以内の終わらせるようにしましょう。

2.ネガティブを重視する!

「ネガティブ」といってももちろん消極的にトレーニングをして下さい、と意味ではないですよ。ウエイトを持ち上げる時の動作をボジティブ、下ろす時の動作をネガティブといいます。

バーベルを下ろす時、力を抜き重力に任せて下ろしてしまう、なんてやり方をしていませんか?これではとても勿体無いことなのです。

トレーニングの目的のひとつは筋繊維の破壊です。筋繊維が破壊されることによって、次は壊されないように前より筋肉を強化しようとします(これを超回復といいます)。これを利用して筋肉を発達させていくのですが、筋繊維が破壊されるのはポジティブ時よりもネガティブ時に起こることなのです。そのためウエイトを挙げたら、ゆっくりと!コントロールしながら下ろしていく癖をつけましょう。

3.体の軸を安定させて行う!

骨格的な歪みがない場合、お尻の上のほうにある中臀筋と深層外旋六筋群という筋肉を意識することによって体の軸の要となる仙腸関節が引き締まり、自然に体の軸は安定します。逆にこれらの筋群が意識されていないと仙腸関節が緩み、体の軸がぶれてしまって本来のトレーニング効果が得づらくなってしまいます。

常に背骨をまっすぐに保ち、中臀筋と深層外旋六筋群を意識してエクササイズを行っていきましょう。

また、骨格の歪みがある場合、左右の筋力バランスに問題があることがとても多いです。その場合は、根本的な原因の筋肉バランスを治していくために、スタビライゼーショントレーニングなどによって筋力バランスを整えていくことで自然に骨格の歪みも消えていきます。

4.ストレッチは必ず行う

ストレッチは今や一般の方々にも広く浸透してきています。しかし、重要だと分かっていても結局面倒がる方は多いと思います。しかし例えば30分間しか時間がない場合に、30分間まるまるトレーニングをするよりも、10分ストレッチ+20分トレーニングの方が明らかに効果は上がります。

さてそれはなぜでしょうか?筋肉というものは収縮時と伸展時の長さの差が大きいほど、収縮速度が速くなります。つまりストレッチによって筋肉を伸ばしてあげて伸展時の長さを長くしておけば、それだけ筋収縮のスピードがアップするということです。その他にもストレッチには、怪我を予防する、血流を促進してトレーニング後の疲労回復に役立つ、さらにトレーニング前に行うことによって筋肉と神経のつながりを強くし、筋肉への刺激を高めるということなども起こります。

トレーニング後はマッサージ、という方(特にアスリートの方)も多いかもしれませんが、トレーニングした部位をマッサージしてしまった結果、かえって炎症が促進されて回復を遅らせてしまうことがあります。しかし、ストレッチはそのような心配はありません。

少しの時間だけでも効果はありますので、トレーニングの前後にはストレッチをする習慣をつけましょう(特にトレーニング後のストレッチ)。なおストレッチは一種目だいたい10〜15秒とします。それ以上長く行うとゴルジ腱反射という現象が起こり、かえって筋肉は収縮しようとしてしまい、これでは逆効果です。パートナーがいる人は、その日トレーニングする部位に限ってPNFを行うと良いでしょう。

5.筋肉の収縮と伸展をしっかりイメージしよう!

筋肉は実際に力を入れて収縮させなくても、力を入れていることをイメージするだけで発達することが判っています。エクササイズのときも漠然と行うのではなく、この筋肉を使って、筋肉がギュッと縮んでいく事を感じ、そしてしっかりと伸びていく感覚をつかみながら行うようにしましょう。このようなことでも長い目で見れば大きな差が出てきます。また、動作中に本人またはパートナーの人にトレーニング部位を軽く触れてもらいながら行うと、さらに意識しやすくなりより大きな効果が期待できます。このように筋肉の収縮、伸展をしっかり意識することにより、前述の「ネガティブ時のコントロール」も同時に行えますし、しっかりとしたフォームで行うことにもつながってきます。

ただ何も考えずにトレーニングするよりも強い刺激、ピンポイントでの刺激が実感できるでしょう。